冷えた心 冷えた身体 当たり前のそれを 当たり前として受け入れる それが日常 無意識に零れるため息に 気付かぬままに歩く ふと 聞き馴染んだ声がした 視線を巡らせれば 求める姿が目に留まる 小さく鳴いた猫の声 薄ら赤い眸が 月の影に煌いた 知らず笑みが浮かぶ 手を伸ばし その黒猫を抱き上げた