4 黒猫

冷えた心

冷えた身体

当たり前のそれを
当たり前として受け入れる
それが日常

無意識に零れるため息に
気付かぬままに歩く

ふと
聞き馴染んだ声がした

視線を巡らせれば
求める姿が目に留まる

小さく鳴いた猫の声

薄ら赤い眸が
月の影に煌いた

知らず笑みが浮かぶ

手を伸ばし
その黒猫を抱き上げた