3 独り

闇を薙ぎ

影を払い
走り続け

気がつけば
何の気配もしなかった

気怠い身体を地に下ろし
深く深く息を吐く

手を伸ばした
そこに求めるものはない

ひやりと冷たい
硬い石の感触に
精神までも冷えてゆく

気付いてしまった
独りだと

夜空にはまだ
月が座し

朝の遠さを物語る