1 紅い満月


不穏な空気

静まり返る街
半覚醒の意識は
引き寄せられるように
窓を開けた

薄ら明るい夜空

見上げた先に
それはあった

禍々しさを感じる
恐ろしいほどに大きな月
濁った紅を纏う月

何かが起こる

闇が騒ぐ

予感は確信へ


そして
温い風が吹き抜けた