じわ じわ 広がる しん しん 静まる 見通せない黒い世界 深くて 呟きすら 溶けていく 怖くて 沈むような空気 あまりにも深くて 目を離したくない あまりにも怖くて もう耐えられない 手探りで 蝋燭に火を点す 仄かな灯り 知らぬ間に 詰めていた息を吐く 小さな炎の温もり 安堵する心 溶けてゆく 背の低くなった蝋燭 まだ遠い朝を待ちわびて もう一度 闇の中へ