「梅雨生まれの君へ」

窓を叩く。
待ち侘びたあの音。
恋しい季節を告げる音。

梅雨が来て、雨が降り出して気付く。 もうすぐ君の誕生日だと。
空から零れる透明なビーズ。 窓越しに見た傘の花。
束ねて君に贈ろうか。
雫で着飾る紫陽花よりも、君のほうが綺麗だよ。
なんて、 俺らしくない気障な台詞も。 期間限定だから、笑わないで聞いて。

誕生日おめでとう。 生まれてきてくれてありがとう。 俺を好きでいてくれてありがとう。

静かに降りしきる雨のカーテン。 傘の下、俺と君だけの世界。
雨音のメロディに乗せて、 今年も君に伝えるよ。

俺から君へ。 最上級の感謝と祝福を。