「合鍵」

それはとても他愛ない
けれどかけがえのない日常

僕は毎日 仕事帰りは君の部屋へ
君はいつも 赤いチェックのエプロン姿
二人で一緒に 君が作った夕食を
電車の時間を気にしながら 今日のことを楽しく話す

時間が止まればいいのにと 思うほどに幸せな日々
君の部屋を出る僕を 見送る君の笑顔に
僕は何度も振り向いた

いつからか 考えていた事
君をもう 一人きりにはさせたくないと


ある日君がくれたもの

それは一つの合鍵

「一緒に暮らそう」 と

君に言われてしまったけれど 僕からも言わせて



「結婚しよう」


今日からは 君が僕の帰る場所だよ